電子ブック(Kindle for iPad/iPhone)と暮らしてわかった紙の本のうっとおしさ

自分は本好きである。一日に2時間以上は本を読んでいる。一冊5000円以上の本を買うなんて事はざらだ。だからAmazon kindleApple iPadの噂が登場したときの、紙の本へのノスタルジックな擁護論もそれなりに同調していた。だがここ半年で紙本アンチに転身してしもうた。というのは、わが読書計画のほとんどを洋書が占めるようになってから、iPhoneiPadkindleやStanzaで主に読書するようになり、偶に紙しか出てない本を読むとき苦痛を感じるようになったのだ。

いまのところ日本のblogでは「紙の本うっとおしい」というデメリット、欠点を書いたのはないようなので参考に書いとく。

  • 紙の本は重い!

本は片手で読みたい。だがペーパーバックを片手で読むのは苦痛である。500ページのペーパーバックなんて腱鞘炎になりそうになるし、ひらひらして寝転びながら読みにくいったら無い。

小さな文庫本がある日本では感じることは少ないが、この星のほとんどはペーパーバックが基本だ。ペーパーバックは日本の単行本並みに重い。そして本好きは翻訳&文庫化なんて待ってられないのだ。
その点、iPhonekindleなら片手で楽々読める。混んだ電車でも文庫よりも楽に開ける。

  • 紙の本は字が歪んでる!

電子ブックに慣れると紙の歪みから来る文字の歪みが何とも気持ちわりぃ。平面のテレビに慣れたら、丸いブラウン管に違和感を覚えるのに近いが、映像よりも小さな文字の羅列である本の方がその気持ち悪さはひどい。

  • 紙の本は手触りが悪い!

「紙の本をめくるあの感じが…」と思いこんでいたが間違っていた。
紙に戻ると、角のとがってるところ、ぶにぶにと不安定な紙の端々が気持ち悪い。ペーパーバックの表紙が読むにつれ歪んでくるのが持っている手のひらに伝わる感触は、かなり嫌である。
iPhonekindleなどなら角は丸いし、片手で持ってると端がばらけるヤな感触はない。表紙が歪んで劣化していくのを読書中さわり続けることもない。

  • 紙の本は光の当たり具合がいちいち気になる!

ま、これはバックライトのないkindleもいっしょなのだが。夫婦の寝室で「読書の明かりがまぶしい」と苦情を言われた経験はおありだろうか。あるいは寝転びながら読書するときライトの角度が難しくて、姿勢に疲れたりしたことはないだろうか。
バックライトのあるiPhoneiPadなら部屋が暗くても問題なし。読書のライトの範囲に姿勢を拘束されるうっとおしさもない。

  • 紙の本は持ち歩くのがうざい!

最初の「重い!」ともかぶるのだが、毎朝、いちいちカバンに持って行く本を決めて出かける際に出し入れするのはうっとおしい。読みたい本を入れ忘れたときのソワソワ感は異常である。
kindleipadなら読書計画にある本をまとめてぶち込んでおけばいい。本好きは気分によって読みたい本が変わるものだ。また分厚い本を座右の書にしとる場合(ACIMとか)、たいへん助かる。アプリ経由でシンクするからiPhoneでも読書が継続できるのも便利なんだよね。ふつうケータイは身につけて持ってるもんだから。

電子書籍はぱらぱらめくれないからすぐ探せない」というがありゃウソだ。ぱらぱらめくってさがすのはだいたい線を引いたり印を付けたところだ。本棚から取り出して、ポストイットなりページの端を折るなりしたところをいちいち開いて線を引いたところを見ていく作業は、電子本を体験した今となってはかなりめんどい。付箋紙と蛍光ペンを持ち歩くのもね。
kindleipadならラインを引いた文章を一覧表示できるから、どこに何が書いてあったかすぐたどりつける。

  • 紙の本は場所を取る!

俺が書かなくてもわりかし言われてることだが。本好きがケコーンして悩むのは蔵書の整理を嫁に要求されることと、それでも本を買っちゃうからしょっちゅう整理しなきゃいけないことである。
kindleipadならお部屋もすっきり夫婦円満である。火事になっても買った本なら再度DLできる。

  • 紙の本はすぐ届かない!

これもね。俺が言う必要ないけどね。洋書だと切実なのよ。翻訳を待ってられないせっかちさんですし俺。一週間かかんないと届かなかった洋書がKindleiPadなら5分でゲットだもんね。

そんなわけで、いずれ紙でしか買えなかった本をばらしてスキャンし自分で電子書籍化してから読書しようと考えている。自炊とかいうやつですな。10分で終わるらしいし。

ま、30分ぐらい読めば紙本への慣れも戻るんだけど。